技術情報

近赤外線材質判別について

1.赤外線とは

可視光線の赤色より波長が長く(周波数が低い)、電波より波長の短い電磁波のことで、人の目では見ることができない光です。波長はおよそ 0.7μm ~ 1mm(=1000μm)で、波長によって短いほうから近赤外線、中赤外線、遠赤外線などに分けられます。
近赤外線は、可視光線に近い性質を持ちリモコンやセキュリティ用カメラの光源、赤外線通信、静脈認証などに用いられています。遠赤外線は、熱線として調理や暖房などの加熱機器に利用されます。

2.赤外線分光器の原理

分光器の入口に入ってきた赤外線は、入射スリットで細い光束になりグレーティング(回折格子)に照射されます。照射された光は、グレーティングで分光され、分光された光は検出器(ラインセンサ)で各波長同時に測定されます。実際の製品には、ミラーやレンズも使用しています。

3.材質判別装置の原理

有機物質は、赤外域に固有の吸収スペクトルを持っています。見た目(可視光線領域)では同じように見えても、赤外線を当てたときの反射スペクトルは材質によって異なります。また、材質が同じであれば反射スペクトルも同じ特徴を持っています。
判別したい対象物に赤外線を当て、反射された赤外線を分光して得られたスペクトルデータと、事前に登録された材質のデータを比較して、対象物の材質を判別することができます。

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