技術情報

エックス線検査について

1.エックス線とは

1895年、ドイツの物理学者ヴィルヘルム・コンラート・レントゲンにより発見された非常に波長の短い電磁波の一種で、波長は0.001~10nmの範囲にあります。

2.エックス線の性質

  • 物質に対し透過性が高い。(軽い物質ほどよく通る)
  • 直線的に進み、磁界、電界の影響を受けない。
  • 気体中を通過するとき、気体をイオン化する。
  • 化学作用がある。(写真フィルムの感光)

3.エックス線発生管の原理

真空の空間でターゲットとフィラメント間に高電圧をかけ、フィラメントから飛び出した電子がターゲットに向かって加速し衝突します。この衝突時に、電子のもっている運動エネルギーの一部が変換されて、エックス線が発生されます。

4.エックス線撮像装置

エックス線を電気信号に変換するする方法には、エックス線を直接電気信号として検出するかエックス線をいったん光に変換してから検出するか、センサの配列がスポット(1個)かライン(1次元)かエリア(2次元)かなど、様々なタイプに分けられます。

5.エックス線撮像

エックス線は物質を透過する力が強く、また物質の密度によって透過のしやすさが変わります。物質を通ってきたX線の強さをを調べることで、目では見えない物質の内部の状態を調べることができます。
エックス線を使った撮像では、エックス線源とエックス線撮像装置の間に撮像対象物を置いて透過撮像を行います。
撮像対象物の密度が高い部分や厚みの厚い部分はエックス線は透過しにくくなります。エックス線撮像装置では、透過しやすいところは明るく、透過しにくいところは暗い濃淡画像として撮像されます。
エックス線撮像は物体の内部の状態を画像で見ることができ、産業用非破壊検査として多く使われています。

非破壊検査の実例

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